46歳のおばさんが、漢字検定2級を受けました。
私が漢検2級に挑戦した理由や感想を述べたいと思います。おばさま&おじさま世代で、漢字検定に興味がある人の参考になれば幸いです。
はじめに
私はアメリカの某日本語補習校で先生をやらせて頂いております。小さな日本語補習校ですが、毎年一回、日本漢字能力検定(いわゆる漢検)の団体受験を実地しています。海外でも、日本と同じ漢字検定を受検する事ができる場所がいくつかあります。海外での漢検受験についての詳細はココをクリックして下さい。
私が勤務する補習校では、漢検の受験者は、児童がメインですが、時々保護者の中でも受検する方がいます。私はそんな保護者の姿に感化され、漢字検定を受ける事にしました。体力や気力がやや低下し、お肌や髪の悩みがどんどん増えてくる40代。運動や肌の手入れに気を取られ、脳の低下については、ついないがしろにしていたので、ちょうど良い脳のエクササイズのスタートです。
中年世代が漢字検定を受けるメリット
おばさん世代になると、漢字検定に合格したところで、何が変わるの?と思う人が多い事でしょう。おそらく、漢検に興味を持った方は、読めるけど書けない漢字や、うろ覚えの漢字があるので、覚え直したいな、なんて思った事があるからではないでしょうか。もしくは、自分の子供に漢字を教える時に、書き順や部首などを辞書や検索無しで教えたい、または、子供のモチベーションアップの為に、子供と一緒に受検してみよう、なんて理由もあるかもしれませんね。
私が考える、中年世代が漢字検定を受けるメリットは下記の通りです。
- ちょっとしたメモを書いたり、日記や手紙を書く時に、すっと漢字が出てくるようになる(辞書などで調べる時間が減る)
- 新しい言葉や熟語を覚える事ができる
- 四字熟語や慣用句などの意味をきちんと把握すると、普通に楽しいし、為になる
- 誰かに漢字の書き方を聞かれた時、「〜〜偏の右側に〇〇と書く」など、すぐに説明ができるようになる
- 久しぶりに試験会場でのドキドキを味わえる
- 本や文章を読む際、意味の分からない熟語に出会う回数が減るので、より良く本の内容が理解できる
- お子さんがいる方は、自信を持って漢字の説明を子供にできるようになる(子供の前で変な恥をかかずに済む)
- 自分にちょっと自信がつく
- 漢検1級の本当の凄さを知る事ができる
- 脳トレになる
- 受かれば普通に嬉しいし、家族や友人に褒めてもらえる(大人になると、なかなか褒めてもらう機会はありませんからね)
私の第一歩
私は、43歳の時に思い立ち(保護者の姿勢に感化され)、先ずは漢検3級を受けました。3級は中学卒業レベルです。それでも私は、勉強をするのになかなか苦労しました。特に四字熟語を覚えるのが大変でした(中・高校生の時、勉強が苦手だったもので…)。それでも、この頃はまだ記憶力もそこまで悪くなく、無事に良い点数で合格できました。
漢字2級は少し(かなり?)辛かった
3級合格してから2年後の45歳で、準2級にチャレンジしようとしたのですが、当日悪天候の為、試験が中止となり、受ける事ができませんでした。でも受けるつもりで申し込みはしていたので、準2級の勉強はしていました。模試の結果では、合格点はなんとか取れていました。
その翌年(今回)、準2級は合格はしてないけれども、飛ばして2級を受ける事にしました。2級の勉強は、正直、私には大変な道のりでした。
一つ目の苦労・・「目が見えない」。
え?と、思われる方がいるかもしれませんが、46歳の誕生日を迎えたあたりから、老眼が一気に進み、とにかく目がすぐに疲れるし、問題集の文字はぼやけて見えるし、老眼鏡なしでは勉強ができない状態でした。画数の多い漢字などは、横棒が2本必要なのか3本必要なのかなどを確かめるのでさえ一苦労です。私が使っていた問題集は答えが赤文字で書かれていたのですが、夜は特にまるで見えません。
二つ目の苦労・・「頭に入らない」。
3級、準2級の勉強をしていた時は、すぐに忘れてしまう状態でも、覚えることはできました。でも2級の勉強に関しては、忘れるもなにも、最初からどうしても頭に入らない漢字や熟語が出てきました。これには、自分でもびっくりです。とにかく、入っていかない(それでも、時間をかけて無理やり入れましたが)。級が上がって難しくなったからというよりも、老化が原因だと思います。
三つ目の苦労・・「やはり、すぐに忘れる」。
覚えるのに時間がかかるのに、忘れるのはとても早い。同じ漢字で、毎回何度もつまずくというジレンマに陥りました。久しぶりに脳を使ったせいか、とても疲れやすいし、覚えたはずの漢字を思い出せないと、イライラもしました。最悪です。
とにかく、40代後半の私にとって、漢検2級を受ける事は、とても大変な事でした。なので、もしも漢検を受けてみようと思う方がおりましたら、悪い事は言いません、少しでも若い内に受ける事をお勧めいた致します。
実際に受けてみた感想
40代で漢検3級の体験済みでしたが、やはり今回も、試験当日はとても緊張しました。私は幸いにも(?)アメリカで受けたので、会場も小さく受験者も少なかったです。それでも、テスト用紙は日本から送られて来た物だし、制限時間なども、日本での受験とはなんら変わりはありません。小さな田舎町の補習校なので、10級から2級まで全員同じ会場でした。会場にいるのは、自分の教え子ばかりです。それはそれで、別の意味で気恥ずかしさもありました。しかも、落ちたりしたら、補習校中にバレて恥ずかしい思いをするので、また別の緊張も生まれます。
当日ぎりぎりまで勉強はしたものの、「あー、後2週間あればバッチリだったのに」とやや後悔もしました。余裕を持って取り組まなかった自己責任ですけどね。
とにかく緊張して、ドキドキしました。でも、テストをする緊張感は、おばさんになったら、滅多に味わえません。別に落ちても、死ぬわけじゃないし困りもしません、勉強して、受験するのは、苦しいけれども、同時に楽しいとも思いました。
何より、終わった後の開放感と言ったら、やらなきゃ味わえない喜びです。勉強する前よりも確実に語彙力も増えていますし、それも嬉しいです。
漢字検定2級のお勧めの参考書
私が使用した参考書を2冊紹介します。それぞれに違った良い点がありますので、私は2冊共購入して本当に助かりました。でも、どちらか1冊だけでも、隈無く勉強すれば、合格できると思います。
私のお勧め問題集1冊目は、漢検2級漢字学習ステップ(日本漢字能力検定協会)です。
2級の新出漢字196文字の読み、画数、部首名、意味、用例、筆順が丁寧に学習できる仕組になっています。練習問題も多く、「総まとめ」と称して、模擬試験も3回分あります。
お勧め問題集2冊目は、漢字検定2級[頻出度順]問題集(高橋書店)です。
こちらの問題集は、頻出漢字問題がたくさん載っています。問題ページ毎に下に赤字で解答があり(赤チェックシートも付いています)、問題を解きやすいです。こちらも、最後に模擬試験が2回分付いています。
メリットはあると思うけれども、別に受ける必要もない
先に漢検を受けるメリットを書きましたが、40過ぎまで知らない漢字や言葉がたくさんあった私でも、特にそこまで困ったこともなく生きてこれました(恥ずかしい思いは何度か経験しましたが)。正直言って、漢検2級レベルの漢字や語彙力なんて、生きていく上で必要無いといえば必要は無い気もします。分からない事は、ネットやケータイですぐに調べられる世の中ですからね。
ましてや、漢検の試験会場には子供や若者がぞろぞろいる。そんな中、おばさんが受けたら目立つかもしれないし、人によっては、気恥ずかしさを感じるかもしれません。受験の手続きも面倒だし、会場に行くのも面倒だし、問題集を買うのにも、受検するのにも多少なりともお金もかかります。そのお金で、ちょっと豪華なランチを食べてもいいわけです。それに、時間だって必要になります。なので、受けようかと一瞬思ったけど、やっぱりやめた、でも良いと思います。
それでも、私はやはり受けて良かったと思いますし、もしも友人が「受けてみようかな」と迷っていたらお勧めします。そして、「頑張って!」と、応援もしたいです。
最後に
漢字検定に少しでも興味を持った方は、まずは一度、過去のテストを遊び感覚でチャレンジしてみると良いと思います。2級は高校卒業レベルなので、簡単に感じる方も多いかもしれません。でも、私のように、あまりお勉強が得意ではなかったという方は、3級でも、なかなか思い出せない漢字があるかもしれません。
この↓↓サイトのページ↓↓で、漢検全ての級の過去問題と解答がダウンロードできます。
この過去問題を一度解いてみるだけでも、脳の良い刺激になると思いますよ。
私は、今回の合否に関わらず(実は、まだ結果は出ておりません。多分大丈夫だと思うのですが…)、これからも少しずつ漢字の勉強を続けるつもりです。
追記:
無事に、合格の連絡が来ました!嬉しいです。